日本精神の研究
安岡正篤 著

本書初版の刊行は大正十三年。
「当時一般にデモクラシーやインターナショナリズムが全盛で、
東洋とか日本などは欧米に較べると、とても話にならぬ恥ずかしい
低劣な存在のように観ぜられていた際であるから…」
と序文にある。
昭和十二年、戦争へと突き進む時流の中で、
誤れる日本精神論の横行への危機感などから、
増補改訂版が刊行される。
その際、山鹿素行、吉田松陰、高杉晋作、高橋泥舟、楠木正成、
大塩中斎、西郷南洲、宮本武蔵などの人物研究が加えられた。
本書はその増補改訂版を底本とする新装版で、
いわば安岡正篤版『代表的日本人』ともいえる。
人物の単なる紹介や解説ではなく、
日本精神の神髄に触れ得た魂の記録と呼び得る
安岡人物論の粋を集めた著作である。
●〇●〇● もくじ ●〇●〇●
一 日本民族の自覚
二 自覚の世界に於ける根本的態度
三 永遠の今を愛する心
四 国体の信仰
五 人格の涵養 ― 山鹿素行について
六 国土の風 (一) ― 吉田松陰について
七 国土の風 (二) ― 高杉東行について
八 国土の風 (三) ― 高橋泥舟について
九 信仰と殉忠 ― 楠木正成について
十 日本精神より観たる武 ― ガンディズム、墨家及び武士道について
十一 学道と義憤 ― 大塩中斎について
十二 政道の要諦 ― 西郷南洲の政治思想について
十三 剣道の精神
十四 剣道と心得 ― 宮本武蔵について
十五 日本の婦道
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『日本精神の研究』 読者レビュー (1件)
齢74を重ねて今更のように己の人生を振り返ると、一生懸命に生きてきたと思ふ。長崎市で原爆の光を浴びて、その後の人生が如何にあったか。田舎で一冊の本にめぐり合ってから、山奥の田や畑の中で、一冊を読みながら、歴史を学んだことが、本への執着となりただ読書が今の自分を創ったと思っている。趣味は読書ただ一つ。
さしたるものを読んだ訳でないので、自慢にはならぬけど、なけなしの収入から、本一冊を買い、読みふけった青春を。振り返る。
読書は人格を造るという。夢中で読書に耽ることは矢張り長い一生には必要であろう。