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致知出版社の大好評『一日一言』シリーズから、毎日の心の栄養となる、今日の「一日一言」をお届けします。
疾(やま)しからざるにあり 2009年09月30日(水曜日)
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英雄(えいゆう)自(おのず)から時措(じそ)の宜(よろ)しきあり。要(よう)は内(うち)に省(かえり)みて疾(やま)しからざるにあり。
安政(あんせい)六年十月二十五日「留魂録(りゅうこんろく)」
【訳】
英雄といっても、その折々のあるべき振る舞いというものがある。大切なことは、心中を顧みて、やましい所がないということである。
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己(おの)が任(にん)と為(な)す 2009年09月29日(火曜日)
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綱常(こうじょう)名分(めいぶん)を以(もっ)て己(おの)が責(せき)と為(な)し、天下(てんか)後世(こうせい)を以(もっ)て己(おの)が任(にん)と為(な)すべし。身(み)より家(いえ)に達(たっ)し、国(くに)より天下(てんか)に達(たっ)す。身(み)より子(こ)に伝(つた)へ(え)孫(まご)に伝(つた)へ(え)、雲仍(うんじょう)に伝(つた)ふ(う)。達(たっ)せざる所(ところ)なく、伝(つた)は(わ)らざる所(ところ)なし。達(たつ)の広狭(こうきょう)は、行(ぎょう)の厚薄(こうはく)を視(しめ)し、伝(でん)の久近(きゅうきん)は、志(こころざし)の浅深(せんしん)を視(しめ)す。
安政(あんせい)三年七月十八日「久坂玄瑞(くさかげんずい)*に復(ふくする書(しょ」
【訳】
人としての正しいあり方を守ることを自分の責任とし、天下後世を維持発展させることを自分の任務と自覚しなさい。人としての正しいあり方を、我が身から家に広げ、国家から天下へと広げる。また、子・孫へ伝え、更には雲仍(うんじょう)、八代目の孫にまで伝える。(正しい教えであるから)広がらない場所はなく、伝わらない世代はない。広がりの広狭は、己の行いが誠実であるか否かを示し、また、どの世代まで伝わるかは、志が高いか否かを示す。
*長州藩医の子 久坂玄瑞(くさかげんずい)。松陰が高杉晋作(たかすぎしんさく)と共に最も期待した高弟の一人。吉田松陰の妹 文(ふみ)が嫁いだ。
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城府(じょうふ)を設もうけず 2009年09月28日(月曜日)
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僕(ぼく) (中略)人(ひと)を待(ま)つに城府(じょうふ)を設(もう)けず。
安政(あんせい)四年十月十八日「中村牛荘(なかむらぎゅうそう)先生(せんせい)*に与(あた)ふ(う)」
【訳】
私は、人と接する時に、身構えたりしない。
*長州藩士中村伊助(いすけ)。明倫館学頭。松陰の友人百合蔵(ゆりぞう)の父。松陰は牛荘に『中庸(ちゅうよう)』の教えを受けた。
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千磨(せんま)して 2009年09月27日(日曜日)
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平生(へいぜい)志(こころざ)す所(ところ)あり、鉱璞(こうはく)肯(あ)へ(え)て自(みずか)ら捐(す)てんや。千磨(せんま)して玉(ぎょく)彌ゝ(いよいよ)瑩(あきら)かに、百錬(ひゃくれん)して鉄(てつ)転(うた)た堅(かた)し。
安政(あんせい)二年九月七日「感(かん)を書(しょ)す」
【訳】
日ごろから、心に期する所がある。私の志は、掘り出したままの粗金(あらがね)や、まだ磨いてもいない玉と一緒で、(まだ果たしていないからといって)どうして自分から捨てようか。捨てはしない。千回磨くことによって、玉は玉名(めいぎょく)となり、百回鍛錬をすることによって、鉄は更にかたくなるのであるから。(志も同様である。)
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真骨頭(しんこっちょう)なくては 2009年09月26日(土曜日)
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きょう勝(しょう)*1・范文粲(はんぶんさん)*2 餓死(がし)と黙死(もくし)と、天下(てんか)の苦節(くせつ)と云(い)ふ(う)べし。此(か)くの如(ごと)きの真骨頭(しんこっちょう)なくては、男児(だんじ)と称(しょう)するに足(た)らず。
安政(あんせい)六年五月二十二日「照顔録(しょうがんろく)」
【訳】
きょう勝の餓死といい、范文粲の黙死といい、苦しみの中にあっても節操(せっそう)を変えない、あっぱれな生き方というべきである。このような、真骨頂(しんこっちょう)とするものがなくては、男児と称するにはたりない。
*1 中国、漢の彭城(ほうじょう)の人。新(しん)の王莽(おうもう)に招かれたが、二君に仕えることを恥じ、絶食して死んだ。
*2 中国、晋(しん)の人。上司と意見を異にし、門を閉じ、沈黙を守って死んだ。
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質実(しつじつ)欺(あざむ)かざるを以(もっ)て要(かなめ)と為(な)し 2009年09月25日(金曜日)
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士(し)の行(ぎょう)は質実(しつじつ)欺(あざむ)かざるを以(もっ)て要(かなめ)と為(な)し、巧詐(こうさ)過(あやまち)を文(かざ)るを以(もっ)て恥(はじ)と為(な)す。光明正大(こうめいせいだい)、皆(みな)是(こ)れより出(い)づ(ず)。
安政(あんせい)二年三月「士規七則(しきしちそく)」
【訳】
武士の行いは、飾り気がなく、真面目(まじめ)で、自他をだまさないことを最も大切な中心とする。ごまかし偽(いつわ)って失敗を隠すことを最も恥とする。人として明るく希望に満ち、正しく堂々とした態度や行動などは、みなここから生まれる。
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天(てん)の我(わ)れを待(ま)つ 2009年09月24日(木曜日)
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姫昌(きしょう)*1の易卦(えきか)、囚(しゅう)と作(な)りて明(あきら)かに、丘(きゅう)*2や春秋(しゅんじゅう)試(もち)ひ(い)られずして成(な)る。古(いにしえ)より英雄(えいゆう)多(おお)くあらず、天(てん)の我(わ)れを待(ま)つ亦(また)軽(かろ)きに非(あら)ず。
安政(あんせい)二年九月七日「戯言(ぎげん)」
【訳】
周の文王(ぶんのう)は殷(いん)の獄舎であるゆう里(り)に囚(とら)われて、易の六十四卦(ろくじゅうよんか)を作った。孔子は諸侯に採用されなかったので、『春秋』を著(あらわ)したという。昔より、順調な人生を送り、英雄となった者は多くない。とすれば、(私も今、野山獄にいるのだから)天が私に期待していてくれるものは決して軽いものではない。(天の期待に応えなければいけない。)
*1 姫は周の姓、昌は文王の名。
*2 丘は孔子の名。
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